2019年5月12日日曜日

『魂の暦』第45週、朗読に不向きな翻訳

『魂の暦』第45週、朗読に不向きな翻訳
1913年2月9日~2月15日

Es festigt sich Gedankenmacht
  思考結果威力は確かなものとなる
Im Bunde mit der Geistgeburt,
  霊誕生との結合において、
Sie hellt der Sinne dumpfe Reize
  思考結果威力は感覚のぼんやりとした刺激を明るくする
Zur vollen Klarheit auf.
  まったき明晰さへと。
Wenn Seelenfülle
  もし魂的湧出が
Sich mit dem Weltenwerden einen will,
  世界生成と一体にならんとするなら、
Muß Sinnesoffenbarung
  感覚開示は
Des Denkens Licht empfangen.
  思考の光を受け取らなくてはならない

またもや「思考結果威力」などというとんでもない日本語で始まります。何回も述べますが、この「思考結果」というのは人間の思考の結果だけではありません。精神界そのものが考え出した結果、つまり森羅万象の諸法則であり、ここではその森羅万象を実現する威力の方にフォーカスされています。この思考結果に存する威力は宇宙思考においては非常に明確ではあるものの、人間ではその存在を自覚すらしていない人がほとんどです。それでも、霊誕生とのつながりでそれが確実なものになります。

3、4行目ではその思考結果威力がぼんやりとした感覚刺激を完全な明晰さにもたらします。そもそも感覚刺激の側からは諸法則といった霊的なものはまったく伝わってきません。その意味で「ぼんやり」していますし、けっしてそれ自体で明晰になることはありません。明晰さを得るには思考の側からの働きかけが不可欠です。霊の側から生じた思考結果威力には前にも述べたように森羅万象の法則性も含まれますから、外界から受け取った感覚刺激を適切に意味付けることができるのです。

4行目から8行目ではまた別な側面が語られます。世界創造には人間の参与が不可欠ですし、そのためには人間の魂的活動が必要になります。しかし、この活動も闇雲なものであっては無意味です。世界創造、世界生成と一体となり、それに資するように働かなくてはなりません。ちょうどゲーテが実際の植物を観ながら、形成法則に従ったかたちで内的に植物を形成したように、感覚に開示するもののなかから法則的なものを思考の力によって取り出さなくてはなりません。

0 件のコメント:

コメントを投稿