2019年5月12日日曜日

『魂の暦』第36週、朗読に不向きな翻訳

『魂の暦』第36週、朗読に不向きな翻訳
冬:1912年12月8日~12月14日

In meines Wesens Tiefen spricht
  私の本質の深みで 語る
Zur Offenbarung drängend
  開示へと迫りつつ
Geheimnisvoll das Weltenwort:
  秘密に満ちて 世界語が:  
Erfülle deiner Arbeit Ziele
  お前の仕事のゴールを
Mit meinem Geisteslichte,
  私の霊光で満たせ、
Zu opfern dich durch mich.
  私を通してお前を犠牲として捧げるために

前半の骨組みは「世界語が語る」です。この世界語とは、森羅万象のそれぞれの設計図とも言うべき法則性とそれを実現する実効的力を内包しています。そして、通常は語りません。必要とされる内容に従って実効するのみです。しかし、ただ一つの場においてそれは語り出します。人間の本質の深みにおいてです。
そして後半の3行は、その世界語が語る内容です。そして人間の意志のあり方を教えてくれます。「今やりたいこと」が問題なのではありません。やろうとしていることの結果が霊的な光で満たされているかが重要なのです。そして光によって植物が育つように、その働きを受けることによって、受けた側に成長の力が湧き上がってくるのです。
しかしそうした意志行為で行われるのは、上っ面だけの自己実現ではありません。それとは正反対とも言える自己犠牲の成就を目指します。この自己犠牲こそが最高の自己実現である可能性はあります。名オーケストラの一員として楽器を奏でている状態がその喩えかもしれません。音楽全体の流れの中に居て、日常的な個を表現する必要などありません。表面的には目立たなくても、演奏家として最高のものを実現できる瞬間です。

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