2019年5月12日日曜日

『魂の暦』第12週、朗読に不向きな翻訳

『魂の暦』第12週、朗読に不向きな翻訳

1912年6月24日~6月29日
Der Welten Schönheitsglanz,
  世界の美的輝き、
Er zwinget mich aus Seelentiefen
  それが私に強いる
Des Eigenlebens Götterkräfte
  自らの営みである魂の奥底から、神々的諸力を
Zum Weltenfluge zu entbinden;
  世界の飛翔へと解き放つことを;
Mich selber zu verlassen,
  自分自身を手放すことを、
Vertrauend nur mich suchend
  ただ信頼しつつ自身を探しつつ
In Weltenlicht und Weltenwärme.
  世界の光と世界の熱の中に。

この週の主役は世界の「美的輝き」です。これが私に2つのことを強いてきます。一つは自分の個的営みを行っている魂の奥底にある神々的諸力を開放することです。そして、そこではWelten-flug=世界-飛翔 という造語を使い、さらにentbinden という変わった動詞を使っています。entbindenを直訳するとbinden=結びつけるの逆の意味で「結びつきを解く」といった意味になります。

美的輝きが私に強いるもう一つの事柄は、自分自身の解放です。詩では終盤の3行の順は倒置的で、普通の文体なら「解き放つ」の行は最後に来ます。「世界の光と世界の熱の中で、信頼しつつ、自身を探しつつ、自己を解放する」のですが、「ただ」が「信頼しつつ」を修飾しているのか、それとも「私」を修飾し、「私だけを探しつつ」なのかは確定していません。森はここでは「ただ信頼しつつ」としました。



正当な進化の途上にある人類は、物質的・感覚的な事柄しか経験しません。熱を感じても、それは熱でしかありません。物質的の背景、つまり実相として存在するものにヴェールがかけられ、体験できなくなっているのです。そして、そのヴェールをかけた存在がアーリマンです。人類の一つの課題は、そうしたヴェールを取り払い、実相を体験することと言えるでしょう。そうした実相についてルドルフ・シュタイナーは『霊的実相から見た宇宙進化』(全集132)という連続講演で語っていますし、その第1講で取り上げられているのが、熱の背後にある実相です。

その実相に迫るためには、まず自らのすべてを削ぎ落としていく勇気が問われます。勇気を持ってすべてを捨てますと、人は自分を一本の固まった棒のように感じると言います。さらに自分が勇気の海に漂っているように感じ、さらに「熱」の背景にある実相を体験すると言います。

その実相とは、ケルビームに捧げるトローネの供犠です。9つの天使の位階にあって3番目の高位あるトローネが自らのすべてを捧げ尽くすときに熱が生じますし、すべての熱の背後にはトローネのケルビームへ供犠という実相があるのです。

後半の3行には、そうした背景を感じとれるのではないでしょうか?

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