2019年5月12日日曜日

『魂の暦』第11週、朗読に不向きな翻訳

『魂の暦』第11週、朗読に不向きな翻訳

1912年6月16日~6月23日

Es ist in dieser Sonnenstunde
  この太陽の時間に
An dir, die weise Kunde zu erkennen:
  お前宛に、賢いその知らせを認識しうる:
An Weltenschönheit hingegeben,
  世界の美に没入しつつ
In dir dich fühlend zu durchleben:
  お前の内で、お前を(感情において)感じつつ生き通しうる:
Verlieren kann das Menschen-Ich
  人間-自我は失われる可能性がある
Und finden sich im Welten-Ich.
  そして自らを世界-自我の中で見出す可能性もある。

この太陽の時間に2つのことが取り上げられます。
  1. お前宛に、賢いその知らせが認識されること
  2. 世界の美に没入しつつ、お前を感じつつ、お前のうちで生き通す
つまり、認識されることと感情で感じ取られることが並行しています。ただし、認識的な事柄はAn dir=お前宛に、あるいはお前の傍らでであるのに対し、感情的意志的な事柄である「生き通す」はIn dir=お前の中でとかかわりの密度に差があります。

そして、その認識される賢い知らせが最後の2行です。つまり、「人間-自我は失われる可能性がある」のに対し、「自らを世界-自我の中で見出す可能性もある」という人間-自我と世界-自我の関係が認識されるのです。

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