2019年5月12日日曜日

『魂の暦』第19週、朗読に不向きな翻訳

『魂の暦』第19週、朗読に不向きな翻訳

1912年8月11日~8月17日

Geheimnisvoll das Neu-Empfang'ne
    神秘に満ちたやり方で、新たに受け止めたものを
Mit der Erinn’rung zu umschließen,
    記憶によって包み込むこと
Sei meines Strebens weitrer Sinn:
    それが私がさらなる意味として目指すところ:
Es soll erstarkend Eigenkräfte
    それは強めつつ、自身の諸力を
In meinem Innern wecken
    私の内に目覚めさせるはずであり、
Und werdend mich mir selber geben.
    そして成熟しつつ、私を私自身に与えるはずである。

「新たに受け止めたもの」とは何でしょうか。それは、明確な思考で捉えることはできなかったものの、夢状態の中で感じ取った「宇宙語」です。その宇宙語を意味がわからずとも記憶にとどめておくことの重要性を語っています。こうしたモチーフは、ルドルフ・シュタイナーの授業に関する助言、「理解できないことを学ぶことも大切」という言葉を思い起こさせます。
さて、冒頭のGeheimnisvoll は「包み込む」を修飾します。この「神秘に満ちたやり方で、記憶によって包み込む」というのも不思議な表現です。単に記憶するではなく、記憶によって包み込むのです。
また、第15週では「世界の仮象である霊の織物が私の固有存在を覆う」という表現がありました。ですので、ぼんやりとしか捉えきれない感覚という仮象をその宇宙語の周りに織りなしていくというイメージも作れます。つまり、世界で生起する事柄をしっかりと味わいつつ、意味はわからずとも、それらを宇宙語と関連させていく感じです。
そうして豊かな記憶に包み込まれた宇宙語は、やがて私の内に私自身の諸力を目覚めさせ、私に私自身の与えてくれるはずなのです。

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