■訳者注
キューゲルゲン氏はシュタイナー教育幼稚園連盟の代表として活躍され、非常に多くの貢献をしています。また、ゲーテアヌム医学セクション代表のミヒャエラ・グレッケラーさんのお父さんでもあります。
■描くことと観ること
水彩を重ねていくにつれ、描くことと観ることを交互にしていく必要があります。絵が上手くいくか否かが、描き始めの段階ではっきり現れる場合もあります。ですから、子どもの手から筆を離させ、筆洗いに入れさせ、絵をきちんと観るように指導します。そのようにしてもなお、最初のうちは指で描き続けようとする子もいます。しかし、続けていくと自分自分を克服し、やりたいことを続けるのではなく、自分の行為に距離を置くことを学んでいきます。一方では、教師に自分の絵を観てもらいたがる子どももいます。そのような子に対しては、その絵のいいところ、その絵が持つ憧れ痛み、などを言葉で表現します。こうしたやり方を通し、子ども自身が問題点を発見し、それを理解したときに、はじめて技術的なアドヴァイスが有効になります。また、気持ちも新たなに描き続けられます。創造的な休憩によって子どもの心が生き生きとしますと、新たなファンタジーも生まれてきます。
こうした際には、秩序と静けさが必要です。色の語る言葉は微かなので、それを聞き取る静けさが必要なのです。その意味でも、「筆を一旦置く」ことは重要な節目になります。
私は一つの練習を2回から3回繰り返させます。 それによって、能力が向上し、芸術行為における道徳的意味が増すからです。
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