《メイン》
上方の右側には太陽、左側には月、さらにその上には5つの星が描かれ、太陽からは光線が出ています。
下方左側には目を閉じて手探りをしている人物が居ます。その背後には、やや背の高い存在が居ますし、よく見るとさらにその後ろに翼を持った暗い影のような存在が描かれています。人物の前には植物がありますが、その間から大きな顔が彼に向かっています。
ここでのメディテーションは、『秘されたる人体生理』では「感覚神経系と血液とを引き離す」と表現されていますが、集中によって自我とアストラル体を人工的に分離する方向のメディテーションです。これによって、自然界の存在の物質的な側面が消え、物質というヴェールの背後で働いている霊的作用を認識するようになります。宇宙の神羅万象に存する神性を見るようになるのです。
植物の間から現れた大きな頭部の目を閉じているのは、この作用が感覚的なものではなく、霊的であることを示していると思われます。ただ、スケッチでは目が開いているようにも見えるのですが、ワタリウムに行かれる方がいらしたら、是非、確認してみてください。
《事前》
上方には月、下方にはゴルゴタが描かれ、その中間、右側には宙に浮いた人間、左側にルチファーが描かれています。そのルチファーと地上とを三条の曲線的な作用が結んでいます。ゴルゴタとは直接に接していいませんが、方向としてのつながりはあります。
ゴルゴタ以降の人類の課題の一つは、自然界にその霊性を見ることです。ゴルゴタとの関係を持つルチファーの影響の元で、人間は地上的束縛を離れ、「物質以外の何か」に対する方向を与えられます。
宙に浮いた人間は、群像彫刻の中心に立つ「人類の代表」に似ています。そして、この「人類の代表」はキリストと捉えられることが多いので、この絵の人物も「エーテル界に現れたキリスト」と考える説があります。そして、一方でルチファーと、もう一方でアーリマンとかかわると考えています。もちろん、こうした解釈もあっていいと思います。ただそれですと、他のステンドグラスではきちんと守られている事前事後の関係は失われますし、シュタイナーが添えた言葉とも折り合いが悪いように思います。
《事後》
上方に光線を放つ太陽、下方左にはその太陽からの作用に縛られたアーリマン、下方右には大地に立ちアーリマンに手を伸ばす人間が描かれています。中間部右側にはゴルゴタが描かれ、三つの十字架の一番左からの作用が下に居る人間に達しています。
物質界の背景で働く霊的作用を認識したなら、人間の目を物質だけに留めさせようとするアーリマンの目論見は失敗に終わります。こうして太陽存在(高次の諸霊)がアーリマンの自由を束縛します。それにはゴルゴタを介して力を受けた人間も力を添えています。
《事前》 | 《メイン》 | 《事後》 |
So wird er fromm | Die welt weht frommsein | Die Frommheit wirkt |
そのようにして彼は敬虔になる | 敬虔であることが世界を吹き渡る | 敬虔性が作用する |
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