2014年6月18日水曜日

《四大》と植物

まず、大雑把に植物と四大の関係について書いておきます。

clip_image002

■《地》と根

まず、根は《地》と深いかかわりがあります。基本的には、重さの方向に真っ直ぐ伸びていきます。ミズバショウなどでは、太い根が2m以上の深さに達しています。

clip_image004

発根に際して、遠心力をかけ続けますと、根が重さと遠心力の合力の方向に伸びます。

clip_image006

根の成長の様子を見ますと、伸びる力をすぐに失うことがわかります。いわば、すぐに《硬化》していくのです。

clip_image008

水栽培だと根毛が出ませんが、根が何かにぶつかると根毛を出すという現象があります。これは、地の要素を持つ根が地の要素である〈抵抗〉と出合ったときに、根の本来の姿を見せるわけです。

clip_image010

根の分枝が出るときには、中心部分から分岐がはじまります(Endogenese)。茎では、表面付近から分岐するのとは対照的です。これも「芯から分岐してくる」と考えると、《地》的であると言えるでしょう。《水》に芯はあるでしょうか。

clip_image012

(図版はStrassburg Botanikより)

■光に向く植物(多くの植物)と重さに定位する植物(イネ科など)

茎では、四大とは少し離れ、エーテル領域になりますが、光と地(重さ)の関係の中で見ると植物の本質がわかってきます。植物の中には茎が光の方向を向くものがあります。同じ植物でも若い部分は光に向かう傾向が強いようです。ところが、植物によっては茎の方向が光にはまったく関係なく、ただ重さと反対の方向にだけ伸びるものがあります。その典型が多くのイネ科の植物です。また、重さと反対の方向に伸びる傾向は、成熟した部分に強く現れます。

■葉は《風》と《水》の産物

葉は基本的には《風》の領域です。しかし、下部では湿気である《水》とのかかわりも持ちます。《水》では、全体をつなげ、一体化させる傾向があります。それと関連して、同じ一本の植物でも、地面に近い(=湿気が多い)部分の葉はより一体化していて、葉の縁が丸みを帯びたものが多いのです。それに対し、上部の葉では《風》との親和性から、先が空間に解消していくような雰囲気に変わります。生育場所によって、タンポポもさまざまな形の葉をつけます。どれが湿った日陰産で、どれが砂利の駐車場でしょうか?clip_image014

植物で空気が出入りするのは、葉の気孔です(呼吸という語はあまり使いたくない)。また、空気を最も含んでいるのも、葉です。

植物の種類でも、四大とのかかわりの違いが感じ取れます。モミジの葉は《風》的ですが、ヤツデの葉は《水》的です。ちなみに、ドクダミはどうでしょう。

■花は《火》

花は《火》の要素とかかわります。チューリップやタンポポでは、温度が上がると花びらが開いてきます。サクラの開花予想には、「有効積算温度」が使われます。また、花には蜜がありますが、これは高濃度の糖分、すなわち燃やせば燃える成分です。言い換えれば、熱の塊です。

シュタイナーは触れていませんが、果実や種子ではさらに《火》とのかかわりが深くなります。桃などの果実では日照量によって甘さが違います。また、種子には油分が含まれることも多く、ここにも集約された《火》が見られます。

このように、《地水風火》の視点で自然を観ることで、間違いなく自然の観方がより豊になります。「自然現象を理解し始める」のです。ここで取り上げた例は、5年生には難しすぎる内容が多いのですが、教師が背景にそうしたことを知り、感じ取っていることは重要です。

0 件のコメント:

コメントを投稿