花と魂の雰囲気の対応
シュタイナーは、「スミレはつつましい」と表現しています。確かに、そのような雰囲気は誰しも感じるでしょう。この「感じる」という部分は非常に重要ですが、さらに確信を深めるためには、十分な観察が必要です。そして、それができたときに、《応用問題》にも対処できます。
シュタイナーが挙げている例をヒントに、植物と人間の魂の営みとの関連を、私たち自身の観察と思考で見出せる能力を育てる必要があります。
スミレはつつましい
スミレの花のつきかたは変わっています。かなり長い花茎が伸びますが、上の方で反転し1cmほど下に向かっています。そして、そこに花をつけますが、花茎は下を向いていますから、ガクは下を向いています。花は一端後ろに膨らんでから前に開き、花びらはそこから上を向くものの、結局はややうつむきかげんに咲きます。上の花びらは後ろに反っています。また、花の色は基本的に紫です。
花びらは5枚ですが、1枚は後方に突き出し、距(きょ)と呼ばれる部分を作ります(下図)。 この形が大工道具の墨壺に似ていることから「すみ(い)れ」となった、という説もあります。
花を正面から見ると、めしべの先がかろうじて見えます。
(小学生には見せませんが)花を分解しますと、非常に短いメシベが現れます。
オシベは5本ですが、2本は距の中に隠れているそうです。
ガクも変わった形をしています。一旦後ろにさがり、そこで折り返してから先に伸びています。
スミレの特徴を以下にまとめます。
- 花が下を向いて咲く
- ガクが後方に戻るしぐさを見せる
- 紫色の色合い
- 距のしぐさは「後方に引く」感じである
- オシベの2本は距に隠れている
- メシベが短い
といった性質を見ると、そのどれもが前に向かってくるのではなく、静かに後ろに引くしぐさです。こうしたしぐさは「控え目」と言えるのではないでしょうか。
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