2014年7月2日水曜日

自然認識と水彩:アサガオの特質

■水彩でアサガオを描く

夏の朝の花は、何と言ってもアサガオです。涼しげな朝の空気の中でフレッシュな光を受けて咲いている姿は印象的です。

■冷たさを必要とするアサガオの花

アサガオの開花周期を長年研究した貝原純子さんによれば、開花するのは、基本的には日が暮れてから10時間後だそうです。ただ、それだけではなく夜の温度も開花に影響するのだそうです。
多くの植物では、開花には適切な温度や熱総量が必要なのですが、アサガオは非常に変っていて、夜の温度が低い方が開花が促進されます。夜があまり暑いと、花が咲かなくなってしまうのです。傾向をまとめてしまえば、「アサガオの花は夜の冷たさを必要としている」と言えるでしょう。
滝本敦『ヒマワリはなぜ東を向くのか』より、貝原氏の結果
夜が30℃以上だと開花しない


■自然認識を加味した描き方

まず、朝の涼しさをウルトラマリン・ブルーの下塗りで表現します。
DSC_1774
そこに「命の赤」「光」「風」を加えていくのは、他の植物と同じです。
DSC_1776
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それに形を加え、具象画にしていきます。
DSC_1781
紙が乾いてしまい、
なかなか思い通りには
描けませんでした。
アサガオはご承知のとおり、つる性の植物で、茎が自立しないので、何らかの支えを必要とします。そこには、「自分の中の中心は弱いが、中心とは密接な関係を持つ」という特別な質が現れています。
アサガオは光を内には持ちませんが、周囲の光を利用して、中心の光を演出します。
アサガオ
あたかも、中が光っているように見えます。その仕組みを説明することもできますが、無粋はやめて、アサガオの光との特別な関係を味わってみてください。(画像を入れると、絵がさらにショボく見えてしまう)。
どなたか、素敵に描いてください。

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