■エデン中央の二本の樹
エデンの真ん中には樹があったとされています。そして、《真ん中》を文字通り受け取れば一点しかないにもかかわらず、樹は二種類あったとされます。つまり、《生命の樹》と《知恵の樹(認識の樹)》です。そして、アダムとイヴは蛇の誘惑により、知恵の樹の実を食べます。その《知恵の樹》の実によって二人は死すべき定めを背負い込み、エデンから追放されます。人間は今もなお、この出来事の渦中に居ると言えるでしょう。
『私たちの中の目に見えない人間』で、自我機構から発するとされるライン1とライン2を思い起こしてください。ライン1は人間に活力を与え、構築的に働く流れでした。そして、ライン2は、ライン1で得られた活力を食いつぶし、死に向かわせながらも、人間の意識的な活動を成り立たせ、人間としての知恵を育む可能性を与えてくれています。
同じ根源を持ち、一方は《生命》、一方は《認識》であり、認識には死が関係するのです。
■ユダヤのソロモンの神殿では
錬金術の図像から、J&B |
これらの《生命の樹》と《認識の樹》は入り口の柱で象徴されています。Jachin(ヤヒンあるいはヤキン)とBoaz(ボアズ)です。対応関係はご想像にお任せします。錬金術関係の図像などを見れば、対応を間違えることはないでしょう。
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