■進化の一側面
動物学を取り上げるにあたっての指針として、「それぞれの動物が、人間の何らかの部分が強調された存在」として取り上げるよう、シュタイナーはアドヴァイスしています。たとえば、ワシは頭部、ライオンは胸部リズム系、ウシは代謝系がそれぞれ発達していますし、それが前面に出るように授業を進めます。
これと似た現象は、別な局面でも現れます。
■背骨の特殊化
背骨に関連して、頭、胴部、尾部がそれぞれ発達した動物グループがあります。多くの骨が癒着して一つのまとまりになろうとする傾向は、カメに見られます。
胴体部分の背骨が発達し、身体のほとんどが胴で、たとえば飲み込んだ卵を割る突起を背骨に持つ動物が居ます。ヘビです。
非常に特徴的な尾を持つ動物グループが居ます。あるものは尾に養分を蓄え、あるものは身体の60%が尾で、あるものは逃走の際に尾を切り離します。トカゲのグループです。
つまり、現生の爬虫類では、頭部動物のカメ、胴部動物のヘビ、尾部動物のトカゲ、そして全体のバランスがよく、脚の発達したワニの四つのグループが知られています。
■高等植物の葉、茎、根をそれぞれ強調した植物
5年生の植物学エポックでは、高等植物を観察して、茎、葉、根、花といった形態を学んだ後に、その観点からキノコ、海草、コケ、シダなどを学びます。そのシダ植物類をここで取り上げます。シダ植物には大きく分けて3つのグループがあります。
- シダ類
- トクサ、スギナ類
- ヒカゲノカズラ、クラマゴケ類
次に、トクサ類も特徴的で、これは茎だけです。スギナでは分岐はありますが、節の部分で分岐し、分岐した後も「細い茎」でしかありません。
クラマゴケでは節から分岐はしているものの、分岐はどこからでもできます。
高等植物で根、茎、葉、の分岐の仕方を見ますと、それぞれに特長があります。
- 根・・・どこでも分岐する
- 茎・・・節で分岐する
- 葉・・・規則正しく小葉に分岐する
高等植物では一つの植物でバランスを保って持っている根・茎・葉が、シダ植物では3つのグループに分かれて発達しています。
ヒカゲノカズラの図版は福岡教育大学の福原達人先生に使用許可をいただきました。 トクサ全体の図は奈良教育大の植物図鑑より、トクサ胞子嚢はWikipediaより借用いたしました。
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