2014年6月19日木曜日

5年生の植物エポックについてのまとめ

『教育芸術2、演習とカリキュラム』第9~11講に述べられた、5年生の植物学のエポックについての指針をまとめました。シュタイナーの言葉から、まずエポックをどのように構成するかをまとめました。

シュタイナーは「こんな植物を知っているかい?」という問いと共に、種子の絵をまず描きました」。植物では「逆向き」がキーワードになることを暗示していると思われます。

「逆向きの人間」であり、「時間の流れが逆」であり、シュタイナーは言っていませんが、「炭素や窒素の物質の流れが逆」であったりします。

教育芸術・タンポポ

■植物学エポックの流れ

5年生での植物学エポックの進め方をシュタイナーのアドヴァイスに従って構成すると、以下の3段階になります。

1.高等植物を見て、各部の基本的な様子を知る。

諸器官=花、葉、茎、根

  o めしべ、おしべ、蜜腺、花びら、がく

  o 葉柄、葉身、葉脈

  o 節、(導管、篩管)

  o 主根、側根

視点

  o 地球、太陽といった全体性の中で捉える。

  o それらが、地水火風とどのようにかかわるかを教える。

2.その他の植物が高等植物の一部だけが発達したものとして捉える。

  o キノコ・・・実、花

  o シダ・・・葉

これによって、菌類、藻類、コケ類、シダ類、裸子植物(針葉樹)、単子葉植物、双子葉植物などを位置づけ、植物界全体を見渡す目を育てる。

こうした捉え方は、動物学において人間の肉体を基準に置き、個々の動物をその一部が発達したものという見方と共通する。

3.「植物=大地の魂」に則し、各植物と人間の魂とを対応させる。

子どもの各成長段階の魂の様子と植物の雰囲気との対比をする例(by Steiner)

1. 乳児、キノコ、菌類

2. 幼児、藻類、コケ類

3. 自己意識の成立・・・シダ類

4. 就学前期・・・裸子植物、針葉樹

5. 7歳から11歳・・・平行脈の植物(単子葉類)

6. 11歳・・・単純な双子葉植物

7. 12~15歳・・・双子葉植物(顕花植物)

8. 16歳以上・・・結実過程と対比することはできるが、子どもは成長過程の方を理解する。

★.「植物は大地の心を表している」、という視点で植物を捉える。

  例.ナデシコは「コケティッシュ」(他人に気を引こうとする雰囲気)

     ヒマワリは、「農夫的」=元気だけれど野暮ったい

■タブー集

シュタイナーが、小学生の授業では避けた方がよいと言っている事柄を挙げます。

o マメの発芽の観察・・・小学生には早すぎる。14,15歳の生徒に。

o 情緒的な捉え方は不要。たとえば、「(親も助けてくれない)けなげな幼い芽」。

o シュタイナー曰く、「何々のために働くという表現はやめてほしい」。

o 植物のメタモルフォーゼはこの年齢では理解しない。

o 受精過程も早すぎる。そもそも受精過程自体が植物にとっては本質的な問題ではない。

o 植物と味覚・聴覚などの感覚とを対比させると視点がずれる。

o 気質と植物を結びつけるとゆがんだものになる。

o 「植物は逆さまになった人間」

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