■四大元素はアントロポゾフィーの基本
アントロポゾフィーでは、さまざまな現象を《四大元素》地水火風の視点で考えます。ここではまず、簡単にそれらの特徴をまとめておきます。それでも、《四大元素》(地水火風)の考え方など時代遅れで科学的ではない、というのが一般的でしょう。現象を分子や原子のレベルから解明しようとするのが現代的な手法です。ここは現代自然科学との優劣を議論するつもりはありません。それよりは、四大的に考えることで、私たちの体験が豊かになることを示したいですし、さらには、この視点が非常に実用的であることも示したいと思います。
■四大(地水火風)のそれぞれの特徴
四大の特徴を知るために、物質としての個体、液体、気体、熱を観察し、その特徴を挙げてみます。■地のエレメント
- お互いに入り込むことはなく、ぶつかりあうとお互いに反発し、他者に抵抗をおよぼす。
- 他者との関係は表面だけにとどまる。
- 接触は表面的な関係であるにもかかわらず、力は中心から及ぼしあう。
水滴同志がぶつかり会うときに、もしその中に人がいてもショックを感じないだろう。しかし、これが氷の塊ならばぶつかった瞬間に強い衝撃が伝わってくるだろう。このように、固体同志が作用しあうときには力は中心まで及んでいる。 - 「重さ」の概念と関連を持つ。
- 固体同志がつながりを持とうとすれば、その界面ではある種の活性化が必要である。
地のエレメントの諸性質をチャート化した例。
■水のエレメント
- 二つの水滴は出会えば一つにまとまってしまう。
- 水の運動形式は流れである。
- 容器に応じて形を変え、しかも連続的に変化する。
- どこかに隙間があるとそこに入り込んでゆく。
- 固体と固体を結びつける働きがある。これには物理的に接着するという意味もあれば、化学反応の媒介をする、という意味も含んでいる。
- 静かな水の表面は鏡のように世界を映し出す。
■風(空気)のエレメント
- 「風の四大」の動きは拡散と収縮である。
- それ自身が次第に消えてゆくことでよりその本質を具現していることになる。
- 良く晴れた冬の朝には遠くの山々がきれいに見えるのに対し、霧の日には全く見えない。そして山が良く見える状態と山が見えない状態ではよく晴れているときはど空気らしさが現れているといえよう。つまり空気は自分自身が姿を消せば消すほど空気らしさを示すと言うことになる。
- 「地」「水」に比べ、基本的に力が外に向かっていて、拡散的である。しかし、最終的にはわずかに凝縮的な力が働いている。
塊として存在するためには凝縮的な力が必要である。それが気体では塊を解消する方向、すなわち拡散的な力が優勢である。しかし、最終的にはわずかに凝縮的な力が働いていて、一つの塊として存在し得る。
■火(熱)のエレメント
熱は現代では「気体、液体、固体の持つ一つの状態」と考えられています。物理学ではそれぞれの分子の振動(運動)状態と解釈しているのです。しかし、ここでは純粋に現象に忠実に熱の性質を観察してみたいと思います。とはいうものの「地」「水」に比べて「熱」の四大には、物質として参考になるものは少ないでしょう。最も身近なものとしては火を挙げることができます。そして、火に関連する現象としては以下のようなものを挙げることができます。- 熱は暖かいものから冷たいものへと流れてゆく。
- 固体、液体、気体の全ての中に浸透し伝わってゆく。
- 極度の熱は全てを無に帰する。それゆえ破壊的であり、また同時に新たな始に向けての出発となる。
- 拡散するときはどこまでも拡散し、どこまでも稀薄になり得る。しかし、こうした拡散は決して物質的なものではなく、いわば集約度が広がってゆくのである。
- 4とは反対に熱が集約されるときは熱として集められるのではなく、何等かの物質に(可燃性物質など)宿されることが多い。
0 件のコメント:
コメントを投稿