2014年7月10日木曜日

5年生の植物エポック教材、コケ

■コケはどこに生えている?

5年生の植物エポックでは、
コケはどこに生えている?
という課題で、シュタイナーの言う土壌と植物の関係(2014.06.10の投稿)が子どもたちに明確に意識されるでしょう。教師はスカウティングしておかなくてはなりませんが、そうした準備を経て、子どもたちにコケを探させるだけで、十分に生徒を生き生きさせることができるでしょう。
私の近所には自然の森などがない完全な都市環境ですが、それゆえに興味深い事実も見つかります。以下、コケが見られた場所です。残念ながら、コケの種類まではわかりませんでした。


石垣の隙間

コンクリートの壁
除草剤が撒かれた土地

除草剤が撒かれた土地のアップ


このように見ますと、コケは生きた土のないところに生えています。それが明確になってから、
草むらにはなぜコケが少ないか
を検討することで、コケのすごさが分かってくるでしょう。つまり、生きた土が十分にあると、草などにその場を明け渡すのです。そして、草が十分に育って土が豊かになると、そこに森が生まれてきます。

荒れた死んだ土の場所に生え、生きた土を作り始め、それが十分にできると草に場所を明け渡す
それがコケなのです。こうした事実を知りますと、人は岩やコンクリートにへばりつくコケを違った目で見るようになるのではないでしょうか。

■厳密な生態学では

厳密に言えば、火山島などの死んだ土に始めに生え始めるのは、コケ類ではなく地衣類で、植物学的分類では両者はまったく別な仲間です。しかし、そこまで厳密に捉えずに、「地にへばりつくように育つ植物」という意味で「コケの仲間」と教えて問題はないと思います。
かつての高校生物教科書には、コケ類とシダ類の生活史の違いなどが載っていましたが、私たちが自然と向き合う上では、あまり大きな役割を果たさない知識でした。

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