2020年3月8日日曜日

『魂の暦』第49週、朗読に不向きな翻訳

『魂の暦』第49週、朗読に不向きな翻訳
復活祭後;第49週
1913年3月9日~3月15日

Ich fühle Kraft des Weltenseins:
  私は世界存在の力を感じる:
So spricht Gedankenklarheit,
  思想明晰性がそう語る、
Gedekend eignen Geistes Wachsen
  自らの霊の成長を(下行で)思いつつ
In finstern Weltennächten
  暗闇の世界夜の中で
Und neigt dem nahen Weltentage
  そして近づいた世界昼に傾ける
Des Innern Hoffungsstrahlen.
  内なる希望放射を。

1行目は思想明晰性によって語られる内容で「私は世界存在の力を感じる」とあります。ここでの「力」は行使される力(Kraft)であり、存在としての力(Macht)ではありません。春になって世界存在が種々の存在物を生成していく力そのものを感じとります。
訳者はGedankenを一貫して、世界生成の設計図であると共に世界生成の原動力と考え、そのように訳してきました。そしてここでは、Gedankenklarheit と Klarheit(明晰さ)という語と熟語にされています。ですので、世界生成の設計図と原動力という中でも、設計図に重点が置かれた表現だと考えます。そうした設計図が「世界存在の力」を感じ取るというのですから、存在への原動力が高まっていることがわかります。しかも過ぎゆく「世界夜の中での自らの霊の成長をいわば振り返っています。そして近い未来、つまり世界昼に向けては、内なる希望放射を向けていきます。

「私は世界存在の力を感じる」と、
思想明晰性が、
暗闇の世界夜の中での自らの霊の成長を思いつつ
語る、
そして近づいた世界昼に、内なる希望放射を傾ける。

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