2019年10月20日日曜日

『魂の暦』第29週、朗読に不向きな翻訳

『魂の暦』第29週、朗読に不向きな翻訳

1912年10月20日~10月26日

Sich selbst des Denkens Leuchten
  思考の照射がそれ自体で
Im Innern kraftvoll zu entfachen,
  内において力強く点火すること、
Erlebtes sinnvoll deutend
  体験したものを(下行から)有意義に意味付けつつ
Aus Weltengeistes Kräftequell,
  世界霊の諸力の源から、
Ist mir nun Sommererbe,
  (冒頭2行は)今や私には夏の遺産
Ist Herbstesruhe und auch Winterhoffnung.
  秋の平安、そして冬の希望でもある

第29週でいよいよ「思考」が登場します。思考の照射がいわば自然点火するのです。内面において、しかも力強く。
ここで、他の訳者は思考に「輝き」という訳語を加えています。それに対し私が「照射」としたのは、leuchtenという語のニュアンスが、「それ自身が光ること」よりも「他者が照らし出されること」に重きがあるからです。ですからたとえば、太陽はleuchten しますが、星はしません。

次には、「体験したことを、宇宙霊の諸力の源から有意義に意味付ける」と表現されています。夏の一つ一つの出来事は、すべて宇宙霊による創造活動の結果です。そして、私たちはそれを経験してきています。とりあえずは、感覚知覚でしかありませんが、その背景には宇宙霊の活動があります。そうした霊的な意味づけを体験した事柄について行なう季節に入って行きます。過去としての夏、平安の中で思考する秋、そして次への準備に入る冬というかたちで。

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