2019年10月13日日曜日

『魂の暦』第28週、朗読に不向きな翻訳

『魂の暦』第28週、朗読に不向きな翻訳

1912年10月13日~10月19日

Ich kann im Innern neu belebt
  内面が新たに活性化され私にはできる
Erfühlen eignen Wesens Weiten
  自らの本性の広がりを感じることが
Und krafterfüllt Gedankenstrahlen
  そして力に満たされた(下行からの)考えの放射を
Aus Seelensonnenmacht
  魂の太陽の力からの
Den Lebensrätseln lösend spenden,
  命の謎を解きつつ捧げることが、
Erfüllung manchem Wunsche leihen,
  多くの望みに成就を与えることが、
Dem Hoffnung schon die Schwingen lähmte.
  その望みにおいて希望は既に翼を麻痺させていた。

内に力を感じ始め、ここでは三つのことができると描写されています。
自らの本性の広がりを感じる
考えの放射を捧げること
望みを成就させること
1. では外の世界ではなく内なる世界の広がりを自覚することがわかります。
2. の「考えの放射」は少しわかりにくい概念です。私が「考え」と訳した原語はGedankenで、以前にも書きましたが、「考える」という動詞 denken の過去分詞形から作られた名詞です。これを高橋氏は「思想」、はた氏と鳥山氏は「思考」と訳しています。
しかし、ルドルフ・シュタイナーが言うGedankenはもっと大きな意味で、「宇宙の設計思想」+「宇宙構築力」と考えても大げさではありません。人間はこれを思考(denken)によって捉えるにしろ、それは影的になり「宇宙構築力」は失われ、「宇宙の設計思想」だけになっています。
しかし、第28週での考えの放射の威力は宇宙的「考え」と人間的「考え」の中間くらいかもしれません。なぜならそれが「魂の太陽の力」から来ているからです。この「魂の太陽」という表現がその微妙さの現れです。人間の考え(Gedanken)が単に影ではなく力を持ち始めるとしたら、それは人間が創造的になったときだけです。
そして、3. では希望を失いかけていた願いを成就させていくことができると述べられています。

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