2015年6月9日火曜日

『農業講座』質疑応答2 、コーベルヴィッツ、1924年6月13日

■qa02-Q01

鹿の膀胱ですが、それは普通の雄鹿のものでよいのでしょうか。

■qa02-A01

シュタイナー博士 …… 雄の赤鹿です。

■qa02-Q02

イラクサは一年生のものでしょうか、多年生のものでしょうか。

■qa02-A02

シュタイナー博士 …… ウルテイカ・ディオイカ(Urtica dioica)です。

■qa02-Q03

雨の多い地方では、肥え溜めに屋根をかけるのがよいのでしょうか。

■qa02-A03

シュタイナー博士 …… 普通程度の雨量でしたら肥料は十分に耐えられるはずです。 逆に、肥料が雨水をまったく得られなかったら、肥料にはよいとは言えませんし、雨水を完全に排除してしまったら、かえって肥料には害になります。 こうしたことは、一般論では結論できません。 それでも一般論で言えば、雨水は肥料にとってよいものです。

■qa02-Q04

液肥の場合には、流失してしまわないように、液肥溜めは覆った方がよいのではないでしょうか。

■qa02-A04

シュタイナー博士 …… 本来、ある意味で雨水は肥料にとって必要です。 問うとしたら、肥料に乾燥ピートを被せることで雨水を防ぐのがよいかという点です。 屋根で雨を完全に遮断するのは、目的に適ってはいません。 そうすると、肥料は間違いなく悪くなるでしょう。

■qa02-Q05

ここで述べられた種類の肥料によって植物成長が促進されるとしまと、それは栽培植物にも、いわゆる雑草にも同じように良好に作用します。 ですので、雑草を除去するための特別な手段をこうじなくてはならないのでしょうか。

■qa02-A05

シュタイナー博士 …… この質問は、当然ながらまずはまったく正当です。 いわゆる雑草駆除については、後日お話しするつもりです。 とりあえず、私が述べたことは植物成長全般に良好に当てはまりますから、雑草駆除には役立たないでしょう。 しかしそれによって植物は、内部に現われる寄生生物の害に対してはより強い抵抗力を持ちます。 事情はこうです。ですから植物界における寄生性の害には、すでに対抗手段があるわけです。 しかし雑草駆除の問題は、これまで話をしてきた諸原則とは無関係です。 雑草は、一般的な植物成長の一部なのです。 これについては後日、話しましょう。 諸々の事柄は相互に関連し合っていますから、一部だけを取り出して考えるのはよくありません。

■qa02-Q06

肥料をふんわりとした層に積み上げ、そこで自然に発生する熱で無臭で肥料をつくるというクランツ陸軍大尉が提唱したやり方はどう考えたらよいでしょうか。

■qa02-A06

シュタイナー博士 …… 現在合理的に応用されていることに関して、私は意図的に触れませんでした。 霊学的なものを導入することで、そうした旧来の方法を改善するきっかけを与えたかったのです。 あなたが述べられた方法には、確実に非常に多くの利点があるはずです。 しかしその方法は一般的に新しいものであり、決して非常に古い方法ではないと思いますし、 最初は非常に目覚ましく思われるものの、時を経るごとに予想ほどには実用的ではないとわかってくる類いのものと思われます。 大地が過去からの力をまだ残している初期状態では、あらゆるものが何らかの仕方でそれを若返らせることができます。 しかしそうした事柄を長期にわたって適用し続けますと、治療薬が初めて体内に取り込まれたときと同じような末路をたどります。 最初は信じられないくらい顕著な薬効を示しますが、やがてそれは消えていきます。 初めに思っていたほどではないことに気付くまでには、多くの時を要するものです。 それ自体が熱を発するということは、特別な意味があります。 このそれ自体の熱を発生させるために行なわれるべき作業は、肥料に非常に有効であり、こうした作業からは有効なものが生み出されるはずです。 しかし、その際に何らかの害が生じるとしたら、堆肥をふんわりと重ねることで、それで堆肥が言葉どおり無臭になるかは、私にはわかりません。 それでも、実際それが無臭だと実証されれば、それが有効である徴でしょう。 この方法は、まだそれほど長い年月は試されてはいないでしょう。

■qa02-Q07

堆肥置場は地中へ沈めるより、地上に盛り上げて作ったほうがよいのでしょうか。

■qa02-A07

シュタイナー博士 …… 堆肥置場はできるだけ高く積み上げることは、原則的に正しいです。 ただし、堆肥置場自体はあまり高くない所にし、地中の諸力との相応の関係を保てるようにしてやる必要があります。 小高い場所に堆肥置場を作るのはよくありませんが、地面の高さから積み上げていくことはできますし、それが適切な高さになるでしょう。

■qa02-Q08

かなり疲弊したブドウの木にも、同様な堆肥を適用することはできるでしょうか。

■qa02-A08

シュタイナー博士 …… 多少変更すれば、使用できます。 果樹やブドウの栽培について話すときに、そうした変更にも触れます。 しかし今日の話は、あらゆる種類の肥料の改良に一般的に通用します。 今日紹介した事柄は、肥料一般を改良する方法です。 牧草地、牧場、穀類、果樹、ブドウ栽培など個別な事柄は、後に話したいと思います。

■qa02-Q09

堆肥置場の床を敷石するのは正しいでしょうか。

■qa02-A09

シュタイナー博士 …… 大地の全体構造や大地と肥料の関係について知りうることにしたがえば、いかなる場合も堆肥置場の敷石はまったく馬鹿げています。 堆肥置場を敷石する理由も私にはわかりません。 そこが敷石されている場合には、堆肥と大地が相互に作用できるように、堆肥置場の周囲の場所をぐるりと開けておかなくてはなりません。 堆肥を大地から切り離すことで、劣化させる必要などあるでしょうか。

■qa02-Q10

堆肥置場の底部が砂地か粘土質かで、何か影響はあるでしょうか。 肥料の流出を避けるために、堆肥置場の床に粘土を敷くことが多いのです。

■qa02-A10

シュタイナー博士 …… 特定の土壌が特定の影響を与えるのは確かです。 それは当然、その土壌の種類自体が持つ性質に由来しています。 堆肥置場の床が砂地の場合には、水を吸い込み、通過させてしまいますから、堆肥を置く前に少量の粘土を敷く必要があります。 逆に極度に粘土質でしたら、柔らかくするために砂を撒くとよいでしょう。 中間的作用を引き出すために、一層は砂、もう一層は粘土にします。 すると、両者が得られます。 それによって、《地》領域の安定性と《水》の作用の両者を得られます。 そうしないと水が流出します。 両種の土を混ぜるやり方は、特に有効でしょう。 これらの理由から、黄土質の場所は可能であれば堆肥置場には避けた方が賢明です。 黄土質やその類には特別な効果はないでしょう。 堆肥置場の床にしだいに手を加え、人工的な土壌に作り変える方がよいでしょう。

■qa02-Q11

ここで紹介されたノコギリソウ、カミツレ、イラクサなどの栽培についてです。 これらの植物が生育していない地域では、種子を播いて移植栽培してもよいでしょうか。 私たちの「牧草地農法」の立場からはノコギリソウ、さらにはタンポポも牛に有害だとされています。 牧草地農法協会では、これらの植物、さらにはアザミをできるだけ排除しようとしてきました。 そして、まさにその除去に取りかかっています。 今度はそれらの種子を播くのは畦だけにして、牧場や草地は避けるべきではないでしょうか。

■qa02-A11

シュタイナー博士 …… なぜこれらの植物が飼料として有害だと言うのでしょうか。
カイザーリンク伯爵 …… ノコギリソウには毒があると言われています。 またタンポポは、牛の飼料としてはよくないと言われています。
シュタイナー博士 …… 注意して観る必要があります。 解放された草原では、動物は毒のあるものは食べません。
レルヒェンフェルト伯爵 …… 私たちのところではまったく逆で、タンポポは乳牛の飼料とされています。
シュタイナー博士 …… これらの事柄は、すでにできあがった判断として流布しています。 検証されたか、誰も知りません。 これらが干草飼料中では無害な可能性もあり、検証する必要があります。 それが毒でしたら、動物自身がその干草には手を付けないでしょう。動物は自分に有害なものは食べません。

■qa02-Q12

ノコギリソウは湿った酸性土壌を必要とするので、石灰を多くやると生育しなくなりませんか。

■qa02-A12

シュタイナー博士 …… 野生のノコギリソウを使用する場合には……ホメオパティー的効果を問題にしています……、本当にわずかなノコギリソウが大きな農場に点在していれば十分です。 ここの庭にあるノコギリソウだけで、農場全体にとって十分です。

■qa02-Q13

自分の牧草地では、花をつける直前のつぼみのタンポポを特に牛が好んで食べているのを見かけました。しかし、タンポポの花が咲き始めてからは食べなくなりました。

■qa02-A13

シュタイナー博士 …… ここであなたは次のことを考える必要があります。 今のお話はもちろん一般法則です。 この動物は非常に優れた摂食本能を持っていますから、害になるならタンポポは食べません。 しかし、別なことも考えに入れる必要があります。 プロセスの上に成り立つ何かを促そうとする場合には、ほとんどいつでも単体では使ったりしない何かを適用します。 たとえば、パンイーストを毎日食べる人はいませんが、パン焼きには使われます。 多量ですと毒になるものでも、条件が変れば非常に有効に作用します。それが物なのです。 治療薬はほとんど毒です。 素材ではなく、その扱いが決定的な意味を持つのです。 タンポポがこの動物にとって毒になるという考えは捨ててしまって構わないと思っています。 奇妙な判断がたくさんあります。 カイザーリンク伯爵はタンポポは有害だと強調され、逆にレルヒェンフェルト伯爵はタンポポがまさに最上の乳牛飼料であると言われます。これは奇妙なことです。 隣接する地方でタンポポの作用が異なることはありえませんから、両者の判断のどちらかが正しくないということになります。

■qa02-Q14

もしかしたら土地の質が原因ではないでしょうか。 これは獣医学的観点に基づく見解です。 また、ノコギリソウやタンポポは、牧場や牧草地に特別に播くものなのでしょうか。

■qa02-A14

シュタイナー博士 …… わずかな面積で十分です。

■qa02-Q15

プレパラートを大地から掘り出してから堆肥と一緒にしますが、どのくらいの期間、ねかせたらよいでしょうか。

■qa02-A15

シュタイナー博士 …… プレパラートと肥料が混ざっていれば、その期間の長さには意味はありません。 しかし肥料が農地に撒かれる時には、あらかじめプレパラートが混ざっている必要があります。

■qa02-Q16

堆肥用プレパラートの準備で土に埋めるときには、すべてを一緒か、それともそれぞれ別々にか、どちらがよいのでしょうか。

■qa02-A16

シュタイナー博士 …… これはよい意味でのご質問です。プレパラート間で相互作用が起きますから、あるプレパラートが他に干渉しないように、一定の距離をおいて埋める方がよいででしょう。 私が小さな農地で行なうとしたら、互いに干渉しないように、農地の端の方で相互に一番距離を取れる場所を探し、埋めるようにするでしょう。 大きな農地なら、好きなだけ間隔をとれるでしょう。

■qa02-Q17

プレパラートを埋めた場所に、草が生えてもよいでしょうか。

■qa02-A17

シュタイナー博士 …… 地面の好きにしておけばよいです。 草が生えるならその方がよいくらいです。 作物を植えて覆うこともできます。

■qa02-Q18

堆肥中のプレパラートは、どう扱ったらよいでしょうか。

■qa02-A18

シュタイナー博士 …… 次のような手順をお勧めします。 比較的大きめの堆肥の山では、25cmかもう少し深くプレパラートを差し込み、プレパラートが堆肥に完全に包まれるようにします。 1mも深く入れる必要はありませんが、プレパラートが肥料に包まれる必要があります。 つまりこうです(下図参照)。 これが堆肥の山で、ここに小さなプレパラートを置いたとします。 ……問題なのは放射ですが、……放射線(赤)はこのように放射されますから、これがあまり表面に近いのはよくありません。

表面で放射線が終わってしまうからです。 堆肥に取り巻かれていれば、放射線は特定のカーブを描き、抜けて出ることはありません。 50cmくらいの深さなら十分です。 表面に近すぎると放射力の大半が失われます。

■qa02-Q19

数個の穴で間に合うでしょうか、それとも全体をできるだけ分散させた方がよいでしょうか。

■qa02-A19

シュタイナー博士 …… 一つの場所に数個の穴をまとめるのではなく、分散させる方がよいでしょう。 そうでないと、放射線は互いに干渉します。

■qa02-Q20

各種のプレパラートを同時に堆肥中に入れてよいでしょうか。

■qa02-A20

シュタイナー博士 …… 数種のプレパラートを堆肥に入れる場合、互いが隣り合っていてもかまいません。 別なプレパラート同士は互いに影響しあうことはなく、肥料そのものにだけ作用します。

■qa02-Q21

全種のプレパラートを同じ穴に入れてもかまいませんか。

■qa02-A21

シュタイナー博士 …… 理論的には、全種のプレパラートを同じ穴に入れても、互いに干渉し合うことはないはずです。 しかし初めからそう主張したくはありません。 隣同士に入れるのはかまいませんが、すべての種類が一つの穴で一緒になってしまうと互いに干渉する可能性はあります。

■qa02-Q22

オークとはどの種類ですか。

■qa02-A22

シュタイナー博士 …… クゥエルクス・ロブル(Quercus robur)です。

■qa02-Q23

樹皮は生きた木、切り倒した木のどちらから取るべきでしょうか。

■qa02-A23

シュタイナー博士 …… この場合、できるだけ生きた木がよく、さらには樹脂がかなり活発と考えられる木から取ります。

■qa02-Q24

樹皮全部を取る必要があるでしょうか。

■qa02-A24

シュタイナー博士 …… 表面だけで十分です。 簡単に剥がれる一番外側の樹皮層です。

■qa02-Q25

堆肥用プレパラート類は、耕土層の深さまでに埋める必要があるでしょうか。 あるいは、雌牛の角はより深くに埋めてもよいでしょうか。

■qa02-A25

シュタイナー博士 …… 耕土層までに埋める方がよいです。 耕土層より下の層では、あまり有効な物質にならないと予想されます。 さらに考えますと、もちろんより深い耕土層ならそこが最適だと言えます。 ですから厚い耕土層を探し出せれば、そこが最良の場所です。 しかし耕土層の下では、相乗効果は得られないでしょう。

■qa02-Q26

耕土層中では常に霜にさらされます。 それは害にはならないのでしょうか。

■qa02-A26

シュタイナー博士 …… 霜にさらされるときには、地球がそうした霜的なものを介して最も強く宇宙的作用を受ける時期に入っていることになります。

■qa02-Q27

石英やケイ素鉱物はどうやって砕くのでしょうか。 小さな粉挽き機か、すり鉢のどちらでしょうか。

■qa02-A27

シュタイナー博士 …… この場合、まず鉄製の乳鉢と乳棒で非常に細かい粉末まですり潰すのが一番よいでしょう。 石英の場合には、まずこの方法でできるだけ細かくすり潰し、さらに板ガラスの表面で細かくすり潰します。 非常に細かい粉末でなくてはならないのですが、ここまでにするのは石英では非常に困難です。

■qa02-Q28

農業的経験では、栄養のよい牛では、脂肪分も付きます。 栄養分と大気からの栄養摂取には関係が存在するはずではないでしょうか。

■qa02-A28

シュタイナー博士 …… 私が述べたことによく注意してみてください。 栄養摂取の本質は、身体中に諸力が生成される点にあると申し上げました。 正しい栄養摂取であるか否かは、大気から諸素材を吸収しそれを加工する能力を持つために十分な諸力を動物が作り出せるかにかかっています。 それは次のことに喩えることができます。 きつい手袋をする必要がある場合、無理に手を突っ込もうとはせず、事前に木型で広げ、伸ばしておきます。 これと同様に、栄養物から得られないものを大気中から取り込むためには、柔軟化させる諸力がそこに存在しなくてはなりません。 栄養摂取によって生体が広げられ、大気中からより多くを取り込めるようになるのです。 食べ過ぎますと摂取能力が高くなることで肥満になりえます。 その代償に寿命は短くなります。 最大と最小の中間に中庸というものがあります。

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