2014年8月8日金曜日

葉から花へ(描き残す)

■花は描き残す

葉を描くときには、赤が重要な働きをすることがわかりました。そこに花を加える場合は、花の部分を描き残します。極端な例は、白い花でしょう。透明水彩では上からかぶせて白くする《白絵具》はありませんから、白を描くとしたら、その部分を描き残さなくてはなりません。
他の色の花でも同じことが言えます。
葉を描いていく手順は基本的に同じで、《赤》《黄》《青》の順に色を重ねていきます。ただ、将来、花を描く場所は空けておきます。
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その空いた部分に、ピュアな色を入れます。
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形はありませんが、花との出会いはすでに表現されています。
このとき、「植物の部分は周囲より色を濃くするように」というシュタイナーのアドヴァイスがあります。

■自然界の色彩秩序

植物を描くと自然界の色彩階層がよくわかります。
  • 花…虹に現れるようなピュアな色
  • 葉…緑だが、補色の赤が入り、少し濁った色
  • 大地…三原色が入り混じって、混沌とした色
つまり、花(上)に向かって、色彩も次第に洗練されていきます。これをゲーテは『植物メタモルフォーゼ』で《精妙化》と呼びました。

■参考例

コケットということで紹介したナデシコ
2013-03-12 23.11.38

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