2014年8月3日日曜日

バイオ・ダイナミック農法とウシの角

■バイオ・ダイナミック農法

シュタイナーのアドヴァイスで始まった《バイオ・ダイナミック農法》では、特別な調合剤を用います。その代表的なものは通称500番、501番と呼ばれるもので、大地に宇宙的な力を導き入れる働きをする、とされています。そうした土地で育てられた作物は、実際に品質が高く、通常の農法とは違いがあることは体感されています。

■調合剤500番の作り方

500番の調合剤は、秋分過ぎに、雌牛の角にフレッシュな牛糞を詰め、それを地中約1メートルの深さに埋め、半年後の春に掘り出します。ウシの角についてシュタイナーは、「力の逃がさない」という主旨のことを言っています。
さて、半年後には、その糞には匂いはなくなっており、その10~20グラムを雨水10リットルくらいの割合で混ぜます。その際、しっかりと渦を作り、次に急激にかき混ぜる方向を変え、水のカオスを作り、さらに逆向きの渦ができたら、またカオスを作る、という方法で約1時間混ぜ合わせます。
このようにして準備した調合剤を、天然の箒のようなもので大地に振りまくのです。そうすることによって、前述のように、大地に宇宙の力を導き入れることができるようになるのです。
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■ウシの鞘角

ウシの角は、内部にスポンジ状の骨があり内部には血管が多く通っています。そして、その一番外側は皮膚が硬くなったもので、その意味では私たちの爪と同じです。ですので、ウシの角のカプセルは、強化された皮膚である、と考えることができます。
ちなみに、雄シカの角はまったく違った由来です。毎年、冬のさなかから雄シカの角が伸び始めます。その際、成長中の角は皮膚に覆われています。ところが、夏になり成長が終わりますと、雄シカは角を木などに擦りつけて、表皮を剥いでいきます。この時には、一時期、角が血で真っ赤に染まります。(皮膚の剥げたシカの角

その後に残るのは、骨でできた角です。ところがこれも繁殖期を終えた冬には自然に落ちてしまいます。骨でできた立派な角をシカは毎年更新しています。言い換えますと、シカの角は毎年生まれ、成長するものの、毎年、死んでいきます。それに対し、雌牛の角は生まれてから死ぬまで、絶えず生きたものを覆い続けています。

■強められた皮膚としての鞘角

さて、シュタイナーは『秘されたる人体生理』の第5講で次のように言っています。
皮膚形成には、人間内の形成的諸力が空間的に働きを終える意味を、最も純粋に見て取ることができます。線ABを外側のフォルムとして模式を描いて考えてみましょう。フォルム形成諸力は周辺部まで到達し、この線で示した外的フォルムのところで終わります。


つまり、皮膚とは生体内の諸力がそこで終わる境界なのです。そして、雌牛の角ではその働きがさらに強められています。シュタイナーは明確に「雌牛」と言っています。ウシの考察でおわかりのように、体内での消化・代謝作用は牡牛より雌牛の方が活発です。それゆえ、内側の力をよりしっかりと内に保たなくてはなりません。そして、その働きを皮膚が行っていますし、角ではその働きがさらに強められている訳です。

■調合剤の謎はまだ深いですが

シュタイナーが霊視によって私たちに教えている調合剤は、まだまだ謎が深いですが、それでもそのプロセスには「ロゴス」が存在しています。この考察がそうした「ロゴス」を少しでも明らかにしていれば、と思います。

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